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講談毎日亭 三日目 豊臣二度目の旗揚げ 毒を盛られた大助 [講談]

伊勢・安土桃山文化村の話。

さて、藤堂高虎とはどのような人物か。
出世の白餅の逸話。

三人の前に、徳島二十五万石松平阿波守が出てきた。
荒川熊蔵が一言言いたい。
「やい。泥棒。大泥棒。目通り叶わぬ。下がりおれ」
将軍家の殿中でこんなことを言った。
怒った阿波守。
中啓を襟に突っ込んで刀の中柄に手を掛けたが、思い止まった。
そのまま下がってしまう。
真田大助が、
「何か取られたものでもあるのか」
「いえ、あいつの先祖は蜂須賀小六という盗人ですから」
「なんだ、そんなことか。これより寝所へ踏み込もう」
と言うてるところへ、水戸中納言。
「上様急病差し起こり面会は叶わぬ。お引き取りあれ」
これは仮病です。
三名は屋敷へ戻る。
二、三日経って、熊蔵と穴森は江戸見物。
料理屋に入って、酒を七升ばかり飲む。
見ると、ハイヨーという掛け声。
藤堂和泉守の御家老藤堂新七。
「穴森、酒の肴に奴を驚かしてやろう」
手桶の中に臭い水。汚い足袋が浸かっている。
その手桶を下げ、軒下から、
「慶元両度の戦いでは汝に貸しがある」
頭の上に投げつけた。臭い水を頭から被った。
藤堂新七は、
「こりゃ堪らん」
とそのまま上屋敷へ逃げる。
藤堂和泉守に目通り。臭いにおいがしますから、
「汚いではないか」
「これこれしかじか」
「荒川め。不届き至極。仇を取ってやるから」
紀伊大納言に相談。
三名を毒殺することにする。
三名の膳部饗応役を務めている守屋一角を招いて、
「明日のお膳に毒を盛れ」
夜中、星と話をする大助。
翌日、食事する三名。
大助が気付いた。
「この膳は藤堂の方から届けてくるものか、その方の手料理か」
「拙者が差し上げている物でございます」
「我々三名の膳部には残らず毒気を含んでいる。毒味に及べ」
「ええっ」
「何を困っておる。誰かに頼まれて毒を盛ったな。誰に頼まれたか白状せい」
「左様なことはございません」
「荒川。召し取って調べよ」
一角、堪らなくなってバラバラっと逃げてしまう。体が小さいから逃げ脚は早い。
表門から逃げようとすると、黒装束、覆面頭巾を致した立派な侍が、ニュッと現れた。
一角は侍にドーンと当たったから、眼がくらんでヨロヨロッとする。
黒装束の侍が、
「無礼者」
と言うより早く抜き打ちに斬って捨てました。
守屋は血煙り立てて相果てました。
ところへ追い掛けてきた荒川が見ると、一角の首が飛んでおりますから。
「首を切ってしまうとは何者だ」
この言葉を聞いて、侍じゃ覆面頭巾を取り、ニッコリ笑いました。
「やあ、珍しい。貴殿は荒川熊蔵殿」

続きは明日。